お金を語る上で、財布の存在は欠かせない。

長財布、二つ折り財布。マネークリップ、コインケース。使い勝手や見た目など、個人の嗜好やライフスタイルによって、財布のタイプも変わる。

最近では、電子マネーやクレジットカードの利用率が上がり、現金との向き合い方が変わってきた。それは、財布のトレンドにも変化をもたらしている。

今回ハフポスト日本版では、『財布』にまつわるアンケートを実施した。

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50%以上の人たちが「長財布を使っている」と返答。その理由として、

「紙幣が折れないから」

「メンズの長財布のデザインが好みだから」

「鍵もカードも全部一緒に持ち歩くから」

など、見た目や容量の点からコメントする人たちが多くいた。

しかし、最新の財布・小物市場でトレンドとなっているのは「圧倒的に『三つ折り財布』です」と答えるのは、伊勢丹新宿本店 新宿婦人雑貨営業部のバイヤー、齋藤有希さんだ。

長財布も二つ折り財布も、"小型化"

伊勢丹新宿店本館1階 婦人雑貨

―――三つ折り財布はどれくらい人気なのでしょう?

ここ数年は小さいバッグが流行しているので、そこに収まるサイズの三つ折り財布はとても人気です。ラグジュアリーブランドなどは以前から三つ折り財布を出していましたが、ほかのお財布メーカーも参入してきました。最近は長財布や二つ折り財布の新作も薄型化しています。三つ折り財布から進化した『スマートミニウォレット』という、超薄型のお財布も売れています。

定期入れサイズの「スマートミニウォレット」は、紙幣とカードと硬貨が数枚入る程度。長財布の中に収納して利用することも可能。ランチや簡単な買い物の際に単体として持ち歩ける手軽さも魅力だ。

―――その理由は?

ミレニアル世代は合理的なので、毎日持ち歩く荷物はなるべく最低限にしたいという気持ちが根底にあるのでは。私も数年前から三つ折り財布を愛用しているのですが、一度小さいお財布を使ってしまうと、長財布には戻れないというか、戻る必要がなくなってきますよね。財布の中で幅をとっていたポイントカードもアプリなどに移行されていますし、ますます小さな財布で事足りるようになってきたと思います。

―――長財布の売上にも影響はありますか?

はい。長財布の根強いファンはいますが、店頭の実感としては確実に下がってきています。

長財布から三つ折り財布に買い替える方や、長財布と三つ折り財布を併用されるお客様は多いですね。

売場内には小型の財布が多く並ぶ

財布トレンドの変化、キャッシュレスの影響も?

こうした三つ折り財布ブームの背景には、電子マネーやクレジットカードの利用増加も影響していると考えられる。

上記のアンケートでも、

「もともと二つ折りでしたが、最近カードケースサイズのものに変えました。スマホに入れてる電子マネー、クレカで日常生活は支障ないです」

といったコメントが寄せられた。

https://platform.twitter.com/widgets.js"Twitterアンケート2本目の結果。現金派が52%、残りの約半数は、(なるべく)クレジットカード、電子マネーでの支払いを選択。現金払いが根強い日本でも電子マネーやクレジットの普段使いが進みつつある。


キャッシュレスの浸透は、財布トレンドの変化以外にどのような影響を私たちにもたらすのか。デンマークのように、日本もいずれは完全キャッシュレス社会となるのか。キャッシュレス社会の実現にむけ、重要なプラットフォームの1つとなるクレジットカード会社から、アメリカン・エキスプレスの清原正治社長と考えた。

アメックス社長の財布は?

清原正治(きよはら・せいじ)1962年生まれ。一橋大学法学部卒。住友化学、日産自動車などを経て、2014年9月、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル日本社長に就任。

―――三つ折り財布トレンドの背景には、キャッシュレス化や荷物の小型化の影響があると考えられています。

私も、荷物は最小限です。車も持っていませんし、腕時計もしません。プライベートではカバンもあまり持ちません。手持ちのビジネスバッグひとつで3〜4泊ほどのニューヨーク出張にも行きます。

荷物が少ないとストレスフリーで動けますし、行動の幅も広がります。例えばニューヨークではよく大渋滞に巻き込まれますが、そんなときはすぐに電車に乗り換えます。それも荷物が小さいからすぐにできることで、キャリーバッグなどを持っていると難しいですよね。

清原社長が出張で持ち歩く鞄。シャツ類は圧縮袋に入れるなど、工夫を凝らす。「荷物の優先順位を考えるのも楽しいんですよ」(清原社長)。最後まで残るのは「薬類」だとか。

―――お財布はどうですか?

財布は10年に一度くらいの周期で買い換えていますが、ずっと二つ折りのものを使っています。

中に入れているものは基本、変わっていません。クレジットカードが数枚と、交通系のカード。免許証は車に乗るときだけですね。

清原社長が愛用している二つ折り財布。紙幣は「2万円」、硬貨は「888円」と決めているという。「500円と50円と5円が1枚ずつ、100円と1円が3枚ずつあれば、硬貨の出入り枚数がほぼ変わらないんです」(清原社長)

「キャッシュ・レス」より「レス・キャッシュ」。臨機応変に使い分け

―――普段は現金とクレジット、どちらを使う機会が多いですか?

海外出張では、ほとんど現金を使いません。最近利用したホテルではオンラインチェックインと同時に鍵のコードがモバイルに送られてくるので、フロントにも並ばず、支払いもオンラインで済んでいるので、とてもスムーズです。

でも、これはあくまで出張などの短期滞在だからできることなんでよね。

日本では、きちんと日々の"生活"をしていますから、過ごし方がもっと地域の事情に合わせる必要がありあす。例えば町の定食屋さんに行ったり、肉屋さんの店先で2割引のコロッケを買ったりするわけです。クレジットカードや電子マネー対応のお店はもちろんそちらを活用しますが、昔ながらの商店街のお店や屋台などは、まだ現金支払いのみ対応の場合も今はまだ多くあり、そんなときは、現金でパッと払います。

―――使い分けが大切だ、と。

交通機関では現金で切符を買うよりスイカやパスモなどのICカードを使う方が、お年寄りにだって優しい。電子マネーも、コンビニなどで大活躍です。だからといって現金支払いが100%駆逐される必要も理由もないわけで、互いに役割を持ちながら共存し、それぞれが便利に使える領域が広がっていけばいい。私たちが目指すべきは、まったく現金を使わない"キャッシュ・レス"ではなく、場面に応じてクレジットカードなどを手軽に、便利に使ってもらうための"レス・キャッシュ"社会だと思っています。

インタビューに答える清原社長。

一方で、企業としては便利な選択肢を提供することが義務だと思っています。その上で、お客様が何を選ぶかは個人の考え方次第。私たちは、今後も生活を便利に運ぶための機会と選択肢を提供していかなければなりません。

カードをかざすだけ。「ピッ」で決済。コンタクトレス最前線

―――例えばどのような"便利な選択肢"を用意されているのでしょうか?

アメックスのコンタクトレス機能は非常に便利で、お店に設置されている機械に「ピッ」とかざすだけで決済ができます。交通系カードやプリペイド式のものと同等の手軽さですが、こちらはクレジットカードなので、残高不足を心配する必要がありません。サインレスなので、手間も省けます。

コンタクトレスの仕組み

―――確かに、便利ですね。どういった場所で使えるのでしょうか?

欧米ではバーやスタンド、あるいは地下鉄の改札などでも使えるところもあり、スタンダードになりつつあります。日本でも全国のマクドナルド店舗、さらにこの秋から、大手コンビニチェーンでも導入されました。今後、ほかの業態にも展開を拡大する予定です。

ロンドンでは、このコンタクトレス対応のマークが付いているカードであれば、地下鉄やバスにも乗車できるという。観光で行った際にわざわざ、交通カードを買う必要はない

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アメックスは消費者の生活をより豊かにするため、これからも様々な機能や機会を提供していくという。

「その上で、何をどう選択するかはお客様の自由。それぞれの生活スタイルに合った使い方をしていただければ」―――清原氏は笑顔でそう語る。

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アメリカン・エキスプレスについて


Source: HuffPost Japan

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